帰宅した散文

なまいきです。当然のようにつまらないです。

お前はどこから来たんだ、と問われて、何の躊躇いもなくつらつらと説明できる存在が全く信用できない。僕は常にとりとめの無い生体で、一瞬前の僕は今の僕とは違っているのだから、お前はどこから来たと聞かれても普通は答えられないのではないだろうか。少…

ふゆ

現実から逃避するために僕は幻想を描いて、気づけば知らない世界に迷い混んだまま実存を信じられなくなったことがある。真っ白の紙に「ぼくはとうめいだ」と書き殴って、理想的な透明人間になった。後ろにいる人たちは存在の時空間を明確にされない。僕たち…

『若者』達の証言

この地は生きやすい世界だ。昨日、僕よりも3倍位長く生きている人がそう言っていたのだから間違いない。夜の訪れが来ない。一日中明るくて、その街を形作る人たちもまた、活発に動き回っている。同じ生物種同士殺し合うことも稀にしかない。生存競争などとい…

大量の餅

何の脈絡もなく、大量のお餅が手に入った。僕は23時8分池袋発の湘南新宿ラインに乗ったつもりで、実際に乗っていたのだけれど、電車が運んだのは経由駅の新宿ではなく赤羽だった。すなわち、反対方面へ向かう電車に乗っていた僕は、それと気付いてからも中々…

味噌汁が多すぎる

何事もほどほどが良いもので、例えば三人家族の夕飯を用意するのに、料理長は5人もいらないし、もっと言えば料理長自体いらないし、それどころか料理人すら要らない。いくら大好きな食べ物でも、そればかり大量に毎回出されていたら逆に嫌気がさすだろう。 …

中々売れないお茶

昔友達が驚くほど唐突に「私好きなビルがあるの!あれ!」と語ってきたことがあった。全く特徴を持たない、どこにでもある高層ビルだ。正直、良さがわからなかった。もしかしたら、話題提供のために一生懸命考えてくれた結果だったのかもしれない。そうだと…

特権を有したカニ

特権は与えられるものでなく、潜在的に有する物だ。僕の手には沢山の特権が乗っけられていて、決して離れないよう魔法の接着剤で厳重に貼り付けられている。それを見て、地球に生きる他の生物に目を移すとなんと貧しいことか! 彼らは苦痛に耐えている。やっ…